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2020-03-27 09:27:00

下腿部前面の筋肉

下腿前面の筋を体表に投影しました。

下腿前面は、前脛骨筋、長趾伸筋、長母趾伸筋、(第3腓骨筋)で構成されています。

第3腓骨筋は欠如している場合があり、文献によって少々ばらつきがありますが、その割合は大体5%〜8%となります。

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下腿前面の筋肉は足首や足趾を反らす働きがあります。またこれらの筋群は神経や血管・リンパ管と共に、狭い範囲に閉じ込められるような構造をしています。(下図の①)

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この領域の怪我で気をつけなければいけないのが、慢性労作性コンパートメント症候群です。
スポーツ活動でのオーバーユースにより炎症を生じ筋肉が腫れてくると、まず最初に痛みやこわばり感が生じるようになります。症状が悪化してくると、安静時痛や筋肉の萎縮、しびれ、運動障害なども出現します。

緊急に観血的治療が必要な急性コンパートメント症候群とは違い、初期や症状の軽い慢性労作性コンパートメント症候群の場合、まずは運動を中止して安静にすることが一番です。加えて、運動計画の見直しとストレッチ、マッサージ、鍼治療などの刺激を行い筋肉の柔軟性を高めていく必要があります。

次回は、下腿前面の鍼治療について書きます。