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肉離れ【重症度のチェック方法】
【肉離れの起こり方】
「筋肉」は筋繊維という束が連続して一つの筋として構成されます。
筋肉は収縮、弛緩を行うことで長さを伸ばしたり、縮めたりして関節を動かす役割があります。
筋肉の性質として伸ばされながら収縮するときに強い力を発揮することができるのですが、その時にそのまま固まってしまった状態を「こむら返り」(筋けいれん)を言い、自身の収縮力に負け損傷が起きてしまった状態を「肉離れ」(筋挫傷)と言います。
【肉離れが起きやすい場所】
肉離れは、下肢に多く発生します。
スポーツ活動によるものが多く、典型的な部位はふくらはぎの内側上部になります。またその他の部位では大腿前面や、短距離選手では太腿後面を痛めることもあります。
【症状】
典型的なものとしては、肉離れをした瞬間に「ビキッ!」「ゴンッ!」などの弾発音が聞こえます。(聞こえない場合もあります。)
受傷した部位を押さえると痛みがあり、ストレッチをしたり収縮しようとすると強く痛みます。
【重症度】
大まかにⅠ度〜Ⅲ度に分類されます。
Ⅰ度(軽症)
微小損傷。筋肉、筋膜に大きな断裂がない。筋繊維が引きそばされた程度。圧痛のみの場合が多い。
治療期間:1〜2週間程度
Ⅱ度(中等症)
部分断裂。筋肉、筋膜の一部が断裂している状態。皮下出血、圧痛、陥凹がある。自立歩行できるが困難を伴う。
治療期間:4週〜2ヶ月程度
Ⅲ度(重症)
筋繊維の広範な断裂や筋膜の断裂。外観上で凹みが確認でき、非常に強い痛みのため自立歩行はほぼ不可能。場合によっては手術の適応となる。
【重症度の簡易的な判断方法】
筋肉をストレッチした時の痛みで重症度がわかります。
ふくらはぎ(下腿後面筋)
軽度:ストレッチ痛が軽い
中等度:膝を曲げていればストレッチ痛が軽い
重度:膝を曲げてもストレッチで痛む つま先立ち不可
*自分で行いましょう
ハムストリングス(大腿後面筋)
軽度:仰向けで脚をまっすぐ伸ばし70度以上挙げれる
中等度:30度〜70度まで挙げれる
重度:30度以下しか挙げれない
*自分で行わず、人に行ってもらいましょう
大腿四頭筋(大腿前面筋)
軽度:うつ伏せで膝を90度以上曲げれる
中等度:45度〜90度まで曲げれる
重度:45度以下しか曲げれない
*自分で行わず、人に行ってもらいましょう
以上が、簡易的な下肢肉離れのチェック方法です。
【当院での施術】
当院では超音波観察機器にて患部状態を確認した上で、最適な治療機器を使用し早期回復を促す施術を行います。
急性機は患部の保護と圧迫、組織修復を促す特殊電気治療が効果的です。
怪我の回復に合わせて柔軟性の向上を高めていくことも大切です。
当院では鍼治療を取り入れています。各部位に対する鍼治療は下記リンクから
肉離れは再発リスクが高い怪我になりますので、しっかりと症状が改善するまで治療・施術を継続することが大切です。ですが、それよりももっと大切なことは、肉離れにならないように普段からかただの柔軟性を保っておくことです。
怪我・肉離れには気をつけましょう。
部位別〜記事一覧〜
頚部
腰部
腰痛!!実は注意が必要!!〜レッドフラッグについて〜2023.6.9
肩関節・上腕
肘・前腕
手指
股関節・大腿部
サッカーでの鼠径部周囲の痛み(グロウインペイン症候群)について
膝関節・下腿部
足関節・足部
シンスプリント
シンスプリントは運動によりスネの内側に痛みが出る障害のことを言います。
最近ではシンスプリントではなくMTSS(Medial tibia stress syndrome)とも呼ばれています。
シンスプリントを特に発症しやすい方の特徴は、一生懸命部活をしている中高生、特に長距離選手やサッカー・バスケットなど繰り返し脚に負荷がかかるスポーツをしている方となります。
「最近練習はハードになってきた」
「中学、高校に入学して競技レベルが上がった」
などのタイミングは特に注意が必要です。
シンスプリントは痛みの強さに応じて以下の4つに分けることができます。
【Waish分類】
grade Ⅰ・・・運動後にのみ疼痛(痛み)がある。
grade Ⅱ・・・運動前後に疼痛があるがスポーツ活動に支障はない。
grade Ⅲ・・・運動前中後に疼痛がありスポーツ活動に支障をきたす。
grade Ⅳ・・・疼痛が強くスポーツ活動は不可能
grade Ⅲ以上は運動を中止する必要があります。
また、脛骨内側の痛みは疲労骨折をしている場合もありますので、痛みが出たら無理は禁物です。
予防・治療は主にふくらはぎの筋肉の柔軟性を高めることを目的としてマッサージやストレッチを行います。
そのほかに、当院では鍼治療やマイクロカレント療法で痛みを軽減したり回復を早めたりすることができます。
シンスプリントにお悩みの方はぜひ一度当院にご相談ください。
シンスプリントについて書かれた当院インスタグラムはこちらから
腰痛!!実は注意が必要!!〜レッドフラッグについて〜
腰痛を発症したことのある方は非常に多いと思います。
その多くは「原因がよくわからない腰痛」となっております。このよくわからない腰痛を非特異的腰痛と言い、なんと腰痛全体の85%を占めています。
残りの15%を原因の特定できる特異的腰痛と言います。この特異的腰痛の中でほんの僅かではありますが、見逃してはいけない腰痛があります。
今回は、この見逃してはいけない腰痛の見分け方について記事にしたいと思います。
医療では「見逃してはいけない疾患を示唆する徴候や症状」をレッドフラッグと言います。
「腰痛診療ガイドライン2019(改訂第2版)」では腰痛のレッドフラッグは以下のように記されています。
重篤な脊椎疾患(腫瘍、感染、骨折など)の合併を疑うべきredflag(危険信号)
①発症年齢<20歳未満または>55歳
②時間や活動性に関係のない腰痛
③胸部痛
④がん、ステロイド治療、HIVの感染の既往
⑤栄養不良
⑥体重減少
⑦広範囲に及ぶ神経症状
⑧構築性脊柱変形
⑨発熱
上記に該当した場合は医療機関の受診をし、重大な脊椎の病気がないかしらべる必要があります。
以上、今回は誰もが身近な腰痛のレッドフラッグについてでした。
「急に腰が痛くなったけど整骨院で施術、処置してもらえるの?」
「腰が痛いけど、病院に行ったほうがいいのかわからない」
など、ご自身で判断ができないは是非一度ご相談ください。
テニス肘(上腕骨外側上顆炎)について
腕の障害でよく起こる上腕骨外側上顆炎ですが、またの名をテニス肘といい,
好発年齢は30歳代の後半から50歳代で
す。
障害部位は主に短橈側手根伸筋(ECRB)腱の付着部で、その病変は繰り返し負荷による変性によるものとされています。
肘が痛い!上腕骨外側上顆炎かも?
と思った時に自分でできる簡単にチェックできるテストを紹介します。
Thomsenテスト
肘をまっすぐ伸ばした状態で手首をそらし痛みの有無を確認するテストで、陽性率は77%〜100%と報告されています。
当院での施術は、主にはり治療を中心に行なっています。週に1回から2回の施術を1ヶ月〜3ヶ月続けることで多くの方が痛みがなくなる、または軽減します。また痛みが強い場合はエルボーバンドの使用を勧めています。
肘の痛みでお困りの方はご相談ください。
また、外側上顆炎について過去ブログでも書いていますのでご覧ください。