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2021-07-21 01:20:00

上腕骨外側上顆炎について〜その3〜

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上腕骨外側上顆炎について、

前回前々回に続き、今回は治療について書いていきます。

この「上腕骨外側上顆炎」は「腱障害」の一つで、その病態がわかっていない部分もあり、治療方法などまだまだ検討の余地があります。

私としては、これからの偉い方達の研究に期待していきたいと思います。笑

そんな外側上顆炎だからなのか、たくさんの治療方法が検討されており、そのどれもが効果は一長一短な印象を受けます。

以下、治療方法を一覧にまとめてみました。

薬物用法(内服、湿布、塗布) 短期的には有効
ステロイド局所注射 短期的(3ヶ月以下)には有効
長期(6ヶ月)ではその効果にエビデンスがない
末梢血全血局所注射 短期間(90日)でステロイドより疼痛、握力改善が良好な結果。長期的な成績をみた論文なし
多血小板血漿(PRP)局所注射 ステロイド、末梢血全血、生理食塩水との比較で、長期での有用性が確認されているが、論文によっては全ての対象と比較して効果無しと結論づけるものもある
直視下手術・鏡視下手術 保存療法が無効な場合に行われる。術式を比較した論文が大半を占め、保存療法との比較したものがない
ヒト骨髄濃縮液(BMAC)局所注射 エビデンスが不十分で、有用性には疑問がある
ボツリヌス治療 疼痛は改善する一方、握力は低下するので、有用性については明確に推奨はできない
レーザー治療(LLLT) 疼痛改善への効果は不確実である一方、握力改善では改善がみられた。因みに論文作成に使用された低出力レーザーは日本では未承認(2018年10月現在)
体外衝撃波(ESWT) 短期的(3ヶ月以内)には50%の疼痛軽減あり。しかし6ヶ月〜12ヶ月では優位な改善が見られなかった
ラジオ波 疼痛、握力、ADLの改善の可能性が示唆されるがエビデンスが不十分
理学療法(ストレッチ、筋力訓練、マッサージ、物理治療法等) 有効性有り。論文によっては52週後、経過観察群と優位性ないと結論づけるものがある
針治療 疼痛低下、握力増加を認める。ただし論文数、標本数が少ないため明確に推奨はできない
テニスバンド(エルボーバンド) 疼痛軽減するが症状の消失が図れるわけではない

多くの治療法がありますが、疼痛、握力、生活の質の改善に対して効果が限定的だったり、長期での有用性が明確になっていなかったりと、どれも課題はある印象です。

とはいえ、実際に症状が出ている時は治療を行うことで、痛みを軽減したり、苦痛から解放されることで快適に日常生活を送れたりと、大きなメリットを受け取ることができます。

当院での上腕骨外側上顆炎に対しての施術


当院での施術は、主に針治療を中心に行なっています。週に1回から2回の施術を1ヶ月〜3ヶ月続けることで多くの方が痛みがなくなる、または軽減します。また痛みが強い場合はエルボーバンドの使用を勧めています。

肘の痛みにお困りの方はご相談ください

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参考文献
上腕骨外側上顆炎診療ガイドライン2019 改訂第2版 南江堂

過去の関連記事はこちら↓
・上腕骨外側上顆炎〜その1〜

・上腕骨外側上顆炎〜その2〜

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・肘から手首の痛み《施術篇》