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下腿前面の鍼治療について
今回のブログでは、当院での下腿前面筋の鍼治療について書きます。
写真はそれぞれ前脛骨筋、長趾伸筋、第3腓骨筋、長拇趾伸筋に鍼をした写真です。
下腿部の前面と後面の筋肉は、“表と裏”とで“骨間膜”を介して繋がっています。
その為、写真のように下腿前面筋の鍼治療をする事でふくらはぎ(下腿後面)にも治療効果をもたらすことができます。
下腿前面筋の鍼治療が効果的なケガには以下のようなものがあります。
①オーバーユースによるスネの痛み
②シンスプリント
③肉離れ
④足関節捻挫 etc
スポーツ障害や怪我の後の鍼治療は、筋内の血流を増加させ治癒を早めるために非常に有効です。
前脛骨筋(スネの筋肉)に対する鍼治療で面白い論文がありましたので、ご紹介します。
ご興味のある方はググってみてください。
簡潔に言うと、
①ウサギの前脛骨筋に対する刺鍼で筋内の血流が増加した。
②坐骨神経(前脛骨筋の動きを担う神経)を切断しても血流は増加した。
③頸動脈圧には変化が起きなかったため全身の血管拡張はなかった。
以上から、この研究では「鍼刺激によって筋の血管拡張が起こったことを表わしており、筋肉痛や肩こり、五十肩等の運動器系疾患に筋血流改善の目的で鍼を行うことの妥当性を示唆するものであると考える。」と考察しています。
多くの方が「鍼治療は自然治癒力を高めることができる」ことをなんとなく知っているのではないでしょうか。
私は。、鍼治療の持つ「自然治癒力を高める」という効果は、「局所の血流増加を促し回復を早める」ということに等しいと考えています。
ケガ、スポーツ障害、痛みでお困りの際は、「治療対象が筋肉の鍼治療」を受けることができる当院にご相談ください。
下腿部前面の筋肉
下腿前面の筋を体表に投影しました。
下腿前面は、前脛骨筋、長趾伸筋、長母趾伸筋、(第3腓骨筋)で構成されています。
*第3腓骨筋は欠如している場合があり、文献によって少々ばらつきがありますが、その割合は大体5%〜8%となります。
下腿前面の筋肉は足首や足趾を反らす働きがあります。またこれらの筋群は神経や血管・リンパ管と共に、狭い範囲に閉じ込められるような構造をしています。(下図の①)
この領域の怪我で気をつけなければいけないのが、慢性労作性コンパートメント症候群です。
スポーツ活動でのオーバーユースにより炎症を生じ筋肉が腫れてくると、まず最初に痛みやこわばり感が生じるようになります。症状が悪化してくると、安静時痛や筋肉の萎縮、しびれ、運動障害なども出現します。
緊急に観血的治療が必要な急性コンパートメント症候群とは違い、初期や症状の軽い慢性労作性コンパートメント症候群の場合、まずは運動を中止して安静にすることが一番です。加えて、運動計画の見直しとストレッチ、マッサージ、鍼治療などの刺激を行い筋肉の柔軟性を高めていく必要があります。
次回は、下腿前面の鍼治療について書きます。
このような姿勢、歩き方にはなっていませんか?
【ぎっくり腰を痛み止めで我慢し続けていた患者さんのお話。】
公園でお子さんと滑り台をすべった時に着地時の衝撃でぎっくり腰のような痛みを発症。
聞けばそれまでも腰を痛めていたそうです。
整形外科を受診し痛み止めを服用しながら生活していたとのこと。
「一度は痛み止めで治ったので…」とのことでしたが、
痛み止めは名の通り痛みを抑えるのが第一の目的なので、治しているわけではありません。
来院時の歩行をみてみると痛みを緩和させるために特に痛みのある側のお尻を突き出し、腰の筋肉を伸ばした状態におくために体幹は左へ傾けているのが分かります。
もちろん本人が意識的にそのようにしているわけではなく、無意識的に楽な体勢に持っていっているのです。
施術後の方は肩の高さも揃い体のラインも真っ直ぐに近い状態になっています。
施術の内容としてはベッドに横むけになってもらい、右の臀部を中心に施術(手技療法+鍼)を行いました。
治療後は歩行にもある程度の改善がみられ、その後も数回治療を徐々に間隔をあけながら継続しています。
今では好きなトレーニングもお子さんと遊ぶことも以前のようにできるようになったようです☆
シンスプリント、アキレス腱周囲の痛みに関わる筋肉への鍼治療
前回のブログの題材であった3つの筋肉に鍼治療を行いました!!
前回の記事を合わせてお読みください
シンスプリント、アキレス腱周囲の痛みに関わる筋肉
長母趾屈筋
後脛骨筋
長趾屈筋
先日もママさんバレーボールに汗を流す患者様が足の裏の痛みを訴えられていましたが、足を見ると「扁平足」でした。
主にジャンプの着地時に痛みが出るそうですが浅いところにある腓腹筋に加え施術を行いました。
特に扁平足などの痛みが出やすい要因を持っている場合は日頃からの予防対策ケアがより重要になってきます。
少し話はそれますが、最近足の痛みや腰の痛みなど
「日が経てば治ると思っていたのですが…。」
とかなり日が経ってから来院される方が多いです。
特に仕事や家事で忙しいとそう思いたくなる気持ちは分かりますが、
痛みがひどくなる前に我慢せずに来院する方が結果的に治療回数も少なく改善までのスピードが早いです。
シンスプリント、アキレス腱周囲の痛みに関わる筋肉
下腿後面の深層に位置する長拇趾屈筋、長趾屈筋、後脛骨筋を体表に投影しました。
これらの筋は、
①歩行時、走行時の足の親指の痛み
②足底部の冷えや異常感覚
③シンスプリント
④アキレス腱周囲の痛み
⑤扁平足
などの症状に関わります。
この筋群の症状を訴える患者様の特徴としましては、長距離ランナーや、サッカー、バスケ、バドミントン、テニスプレイヤーなど、脚を酷使するスポーツ選手が多くなります。
要するに、反復動作によるオーバーワークによるものが多いということです。
下腿後面の血流については、深層に位置するこれらの筋群のさらに下層を、脛骨動静脈及びリンパ管、腓骨動静脈及び深リンパ管が通過します。
その為、長拇趾屈筋、長趾屈筋、後脛骨筋の過緊張は足部の様々な症状に関わってきます。
「オーバーワーク」
サッカー、マラソン、バスケなどなど
長拇趾屈筋、長趾屈筋、後脛骨筋の過緊張
血管系の持続的な筋の圧迫による血行不良
様々な脚の症状、浮腫、痛み
従って、当筋群の過緊張部位に対し的確に徒手療法及び、鍼治療を行い筋弛緩を導くことが症状改善へと繋がります。
これらの症状の際はご相談ください。