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JSTEC(日本スポーツ外傷救護セミナー)
先日、JSTEC(日本スポーツ外傷救護セミナー)へ参加してきました!
なんと本セミナーは記念すべき第1回目です。
それがこの沖縄県で開催されました。
今後全国へ展開される予定です。
前もってウェブセミナーを受けていたので、今回は実技、実技、実技…の1日でした。
ウイルス対策として、マスク・グローブ・メガネ着用で換気も十分に行いながら開催されました。
3つのグループに分かれ行いました。
学校や教習所などAEDを扱う機会は今までもありましたがこのセミナーではスポーツ現場を想定し、「なぜ倒れているのか?」「救急車は必要なのか?」「どのような応急処置をするのか?」「周りの人にどう指示するのか?」などより実践的な形で行われました。
頭も体もフル回転で一日を終える頃には疲労感で一杯でした。(*_*)笑
修了証をもらって解散となりました。
実際に起こってほしくない場面ですし、多くはないですがだからこそ万が一に備えた準備が必要だと痛感しました。
今日感じたことや学んだことを活かしさらなるスキルアップ、また今後の活動につなげていきます
鍼治療の「脳や脊髄などの中枢神経に作用する効果」について 〜その2〜
前回に続き、鍼治療の鎮痛効果についてご紹介いたします。
カラダに痛み刺激(鍼)を与えて、何で痛みが取れるんだろう?疑問に感じませんか?
鍼治療には、「痛みの部位に直接作用する効果」と、「脳や脊髄などの中枢神経に作用する効果」があります。
今回は「脳や脊髄などの中枢神経に作用する効果」の中でも
脳レベルでの鎮痛について書かせていただきます。
前回の記事はこちら→鍼治療の「脳や脊髄などの中枢神経に作用する効果」について 〜その1〜
前回の記事はこちら→鍼治療の「痛みの部位に直接作用する効果」について
今回は「脳や脊髄などの中枢神経に作用する効果」の中でも
脳レベルでの鎮痛について書かせていただきます。
局所で感じ取った痛みは最終的には脳へと集約されます。
そのため、脳レベルでも痛みをブロックすることが可能です。
また、全身に症状が出ている場合、感情や交感神経亢進で疼痛増強している場合には脳レベルでの鎮痛は効果的になります。
脳レベルでの鎮痛メカニズムには以下があります。
①下行性疼痛抑制系
②広汎性侵害抑制調節
今回もややこしい漢字が並んでいますが、、、w
①下行性疼痛抑制系とは
鍼通電や響きを伴うような刺激を身体に与え*内因性オピオイドを放出させる方法です。鍼の響きは皮膚の表面よりも筋肉など身体の内部で感じることが多いです。
*内因性オピオイドとは脳から放出させる物質(ノルアドレナリン、セロトニン、エンケファリン)のことで、鎮痛効果の他に、不安感の緩和、眠たくなる、爽快感を感じるなどの効果がもたらされます。
当院の鍼治療は主に筋肉に対して行っているため、このメカニズムを賦活しやすいです。また、スペシャルセラピー(▲の時間)では鍼通電も同時に行うのでさらに高い効果が望めます。
また、この下行性疼痛抑制系のもう一つの特徴として、じわじわ効いて持続性が高いことが挙げられます。
鍼治療を受けた後数時間してから、徐々に痛みが緩和されていくのを体感できると思います。
鍼灸治療があらゆる痛みに対応できるのはこの下行性疼痛抑制系の働きによるものが大きいんですね。
それからもう一つ、
②広汎性侵害抑制調節
こちらはどんなものかと言いますと、
「痛みで痛みを打ち消す」鎮痛メカニズムです。
例えば、虫歯でズキズキ痛む時にほっぺたを思い切りつねって痛みをごまかす!!
あれが、このメカニズムです。
この方法は、痛みに対抗したさらに強い痛み刺激を入力する対抗刺激療法ですが、先ほどの下行性疼痛抑制系とは違い、即効性はあるが持続性はありません。
そのため、治療として用いられることはほとんどないかと思います。
以上が脳レベルでの鎮痛のメカニズムとなります。
その他の鍼鎮痛についてはまた今度。
鍼治療の「脳や脊髄などの中枢神経に作用する効果」について 〜その1〜
カラダに痛み刺激(鍼)を与えて、何で痛みが取れるんだろう?疑問に感じませんか?
鍼治療には、「痛みの部位に直接作用する効果」と、「脳や脊髄などの中枢神経に作用する効果」があります。
今回は「脳や脊髄などの中枢神経に作用する効果」の中でも
脊髄レベルでの鎮痛について書かせていただきます。
ここで、中学の理科を少しおさらいです。
神経には、中枢神経と、末梢神経があります。
体の外側(末梢神経)から入ってきた情報は、内側(中枢神経)へと伝わる仕組みになっています。
脊髄レベルでの鎮痛メカニズムは主に二つです。
①ゲートコントロール説
②下降性疼痛抑制系の賦活に伴う脊髄後角の抑制
①ゲートコントロール説は、
痛みの入り口である脊髄(ゲート)で入ってくる情報を制御(コントロール)するメカニズムです。
痛みのある部位やその周辺、あるいは手足の反対側の同部位をさすり鎮痛を起こさせる、、どういうことかと言いますと、
「痛いの痛いの飛んで行け〜!!!」
あれです!!笑
「痛み刺激」より、「触れる刺激」の情報が太い神経で伝わるので、痛みをごまかすことが出来ます。
しかし、この方法は即効性はありますが、持続性はありません。さするのを辞めた途端に痛みを感じるのはそのためです。
このメカニズムを使った鍼治療の応用としては、ごく短い鍼を皮膚に貼りつけておく「置鍼」があります。その他にはキネシオテープも同じようなメカニズムを利用しています。どちらも皮膚に刺激を入れ続けることで痛みをコントロールしています。
②下降性疼痛抑制系の賦活に伴う脊髄後角の抑制について
この方法では鎮痛物質の分泌により脊髄での痛みを抑制することが出来ます。痛みを感じるとその信号は最終的に脳へと伝わりますが、脳で痛みを感じると鎮痛物質の分泌がおこります。この鎮痛メカニズムのおかげで、いつまでも痛みを感じずにすむことが出来ます。
鍼治療でもこのメカニズムを使って痛みのある脊髄神経と同じ支配エリア(皮膚、筋)への刺激で痛みを抑える方法をとっています。特に背中や脚などの大きい筋肉(抗重力筋)への鍼刺激で効果が高いとされています。
本日はここまで。
次回は「脳や脊髄などの中枢神経に作用する効果」の続編、脳レベルでの鎮痛について書きたいと思います。
鍼治療の「痛みの部位に直接作用する効果」について
今日は、鍼治療の鎮痛効果について紹介いたします。
カラダに痛み刺激(鍼)を与えて、何で痛みが取れるんだろう?疑問に感じませんか?
鍼治療には、「痛みの部位に直接作用する効果」と、「脳や脊髄などの中枢神経に作用する効果」があります。
今回は、「痛みの部位に直接作用する効果」について書かせていただきます。
それには主に二つのメカニズムが関与しています。
①オピオイド受容体を介した鎮痛
②アデノシンA1受容体を介した鎮痛
カタカナばかりでなんだかややこしいですね笑
この二つのメカニズムは、ケガや炎症の部位での痛みのブロック。
ざっくりいうとそんな感じです。
「免疫細胞を刺激」→ オピオイド放出 → 鎮痛
「鍼によるミクロの損傷」→ ATP放出 → 鎮痛
鍼の鎮痛作用がバッチリはまると、急性の捻挫や肉離れ、寝違え、ぎっくり腰など、時として驚くほど早く痛みが引くことがあります。
ケガや痛みにお困りの方、当院の鍼治療を体感してみてください。
局所鎮痛機構についてもう少し詳しくという方は下記をご覧ください。だいぶ抜粋しましたが、読むと頭痛がします。オススメしません。笑
①オピオイド受容体を介した鎮痛
ケガや痛みのある部位(炎症部位)には痛みを抑える物質(オピオイド)を含有した免疫細胞が多数存在し、鍼刺激で免疫細胞にオピオイドを放出させオピオイド受容体(痛みに関する情報をキャッチする機関)に作用させ鎮痛を起こします。
②アデノシンA1受容体を介した鎮痛
鍼刺激を行うことでミクロの損傷を起こし、細胞からATP(体内のエネルギー源)が放出されます。
ATPは分解されるとアデノシンになりアデノシンA1受容体に作用して鎮痛が起こります。
今回は「痛みの部位に直接作用する効果」についてでした。
次回は「脳や脊髄などの中枢神経に作用する効果」について書いてみたいと思います。